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スターボードって? ポートって?

2020/10/13 10:38:27
この前の記事で、「面舵」と「取舵」の記事を書きましたが、その際、「一般商船は『スターボード』と『ポート』いう操舵号令を使うと書きました。

神戸大学練習船「深江丸」通信長の資料

スターボードとは船の右舷側をさし、和名でいえば面舵(おもかじ)の事をいいます。また、ポートとは船の左舷側をさし、和名でいえば取舵(とりかじ)を指します。
また、「船の部分の名前」だけでなく、「進む方向」も同じです。

それではなぜ、『スターボード』『ポート』という名称になったのかという事について書いてみます。

スターボード?

まだ造船技術が発達していなかった頃には、現在のように船の船尾の水面下に「舵」を備え付ける技術がありませんでした。
そのため、このページの写真にあるようなバイキング船の時代、船の右舷側から、少し幅広の板を海中に出し、取っ手部分を左右に動かすことによって操船していました。
自動車のハンドルの事をステアリングと呼ぶことはご存じのとおりですが、「ステアリング」+「板(ボード)」が合わさり、「ステアボード」→「スターボード」になったといわれています。

ポート?

船を操縦する舵が右舷側にあると、荷物の積み込みや人の出入りは左舷側から行うほうが合理的です。
そのため「ポート(港)」といわれるようになりました。

もちろん現在では両舷どちらでも接岸することは可能ですが、慣習上、左舷付けする船が多いようです。
もっとも、プロペラが1軸右回り船は、船足を止めるための後進をかけると、プロペラ放出流の作用とプロペラシャフト周辺圧力の作用で、船尾が自然に左舷側に押されるので接岸が容易という側面もあるようですが、ここでは難しい話は置いときます。


実は飛行機にも受け継がれています

皆さん、飛行機に乗るとき機体の左から乗り降りしますよね。空の港、空港ですから「左舷側」から乗り降りします。また、夜空を見上げた時、点滅する飛行機の灯火も船のそれと同じ配置になっています。

なにより、航空機のパイロットは飛行機の事を「シップ」というわけですから、こりゃもう間違いないですね。

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