EDR、FDR、VDR・・
2021/06/30 15:08:22
船のあれこれ 最近は何かとアルファベット数文字で表示することが多くて、正直面食らう事も多々あるんですが、このタイトルだけで「ハイハイ!」と分かった方は相当な乗り物マニアですね。
今朝の新聞記事に「新型車には「運転記録装置」の搭載義務付け-国土交通省-」という記事があり、ドラレコみたいなもんかいな、と思っていたら、どうやらそのレベルのものではなく、かなり詳細な記録ができる装置のようですね。
いまどきのクルマに付いている知られざる事故記録装置! EDR=イベントデータレコーダー(Event Data Recorder)というものらしいですが、この記事を見てはっと思い出したのが航空機事故が起きると話題になる「フライトレコーダー」(FDR)です。
実は船の世界にも「VDR」という記録装置があるのをご存じでしょうか
航空事故のたび、「ブラックボックスの回収に成功」などと報道されますが、高度、対気速度、垂直加速度、機首方位、経過時、飛行機の姿勢、操縦翼面の動き、エンジンの運転状態、航空交通管制機関と連絡した時刻など20種以上のデータが記録されるものらしいですね。
これに対して、「VDR」(Voyage Data Recorder)は、日時、船位、速力、船首方位、船橋音声、通信音声(VHF)、レーダデータのほか、水深、各警報、舵角、エンジンモーション、開口部の状況、防水・防火扉の状況、船体応力、風速・風向など、負けず劣らず実に多くのデータが保存されます。
現在のところ搭載強制船舶は
国際航海する旅客船と、国際航海する総トン数3,000トン以上の旅客船以外の船舶となっており、とりあえず、内航とは無縁ですが、元々このシステムは、海難が発生した場合に、船に蓄積したデータを物理的に持ち帰り、解析することによって、その原因究明に役立てる目的でした。
ところが数年前から、インマルサット人工衛星を活用して取得したデータをリアルタイムに陸上に送り、船内のデータを陸上でも把握・共有し、安全運航に役立てる取り組みが始まっています。
最近は従来の紙海図も電子海図(ECDIS)に置き換わりつつありますので、このデータと連携させることによって、ゆくゆくは「自動運航船」の実用化に向けた検討が始まるのではないのかな?と思います。
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