内航船でも海賊対策!
2020/07/07 11:30:49 お知らせ
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最近では海上自衛隊や海上保安庁などの関係機関のご尽力で影を潜めていますが、かつて中東沿岸やマラッカ海峡付近では、付近を航行する船舶に対する海賊襲撃が相次ぎ、国際的に問題となっていました。
今般、国際労働機関(ILO)において、船員が海賊行為及び武装強盗により拘束されている間の雇入契約及び賃金の支払いを確保することを目的とする、2006年の海上の労働にする条約の改正案が採択され、令和2年12月26日に発効することになりました。
内航船の場合、「海賊」とはほぼ無縁ではありますが、この改正に伴い、船員法施行規則が改正され、雇い入れ契約書の書式が新しくなりました。
今般の改正により、現在会社と船員さんとの間で交わしている雇い入れ契約書も、全て施行日までに新たに契約することが求められることとなりますのでご注意下さい。
施行日以降は新しい雇い入れ契約書の提示が必要です
運輸局などで「雇い入れ・雇い止め」などの手続きを行う際、「雇い入れ契約書」の提示が求められますが、施行日以降は新しい様式のものが必要です。
常時雇用する船員の数が10人以下の場合には「就業規則」の作成義務がないことから、届出をしていない船社さんもおられますが、その場合には、「①雇入契約書サンプル(就業規則なしバージョン)」をダウンロードして使って下さい。
また、就業規則を作成・届出されている船社さんの場合には、「②雇入契約書サンプル(就業規則ありバージョン)」をダウンロードして使って下さい。
ご不明な点は、お近くの運輸局、運輸支局、海事事務所の「船員法担当」にお問い合わせください。
呉市港湾部局へ要請してきました
2020/07/02 15:04:22 日常業務
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河菜理事長(右から二番目)と呉市松原参事(右から四番目)
大手鉄鋼メーカーの減産や、新型コロナウイルス蔓延のの影響で物流量が減少し、オペレーターからの要請による「共同係船」が始まっています。
しかし、係船(一時休止)を要請されたオーナーさんは、船を係留する場所探しに奔走されているようです。
多くのオーナーさんは地元の漁港や取引のあるプライベートバースに係留させてもらうなどの自助努力をされていますが、それでもなお、係留場所がなく、難渋されている組合員さんがおられるとのことです。
こうしたことをうけ、中国運輸局呉海事事務所の協力も得て、広島県内航海運組合の河菜理事長ともども、呉市港湾部局に施設の弾力的運用を要請してきました。
呉港は「旧軍港市転換法」の規定により、呉市が港湾管理者となっており、音戸や倉橋、蒲刈といった「船ところ」を擁する地域性もあり、また、日本製鉄呉製鉄所の減産が地元自治体に大きな影響を及ぼそうとしていることなどもあり、当方の主張のご理解をいただきました。
とはいえ、港湾には多数の関係者があるため、まだまだ調整が必要ですが、こんな時こそ業界団体の出番です。
ツナガル!タスカル!タスケブネ!
困ったときの「タスケブネ」
昨今は、小型船を主に建造する小規模造船所も人手不足・人材不足が課題となっています。
もちろん、新造船を行う造船所もさることながら、修繕専門の造船所も深刻な状況です。
造船所は古くから瀬戸内地方に集積しており、他の産業とともに「海事クラスター」(最近「クラスター」という言葉の印象が悪い(^^;))を形成していますが、いったんそうでない地域に出たときに発生したトラブルは、陸上支援が十分に得られない状況がありました。
今般、内航船主と修理業者を効率的につなぐマッチングアプリ
「タスケブネ」が開発され、7月1日よりリリースされました。
このサービスは、LINE WORKS を活用し、デジタル技術等の新技術の内航船への導入を促進するものとして、海上運送法に基づき、国土交通省により、「先進船舶導入等計画」の認定を受けています。
船舶修繕技術者リソースが偏在しているなか、「内航船を止めない」サービスの提供は、内航船の輸送品質向上に大きな貢献をするものとして期待されます。
ちなみにこの「タスケブネ」
有限会社エヴァライン、三洋汽船株式会社、株式会社SKウインチなどの若手経営者が共同で設立した「株式会社タスケブネ」が開発したものですが、わが中海連青年部の渡邉副委員長(有限会社エヴァライン)も中心的にかかわって仕上げたものです。
未来の内航海運業界のために、ますますブラッシュアップしていくことを期待しています。