日本の物流を支える内航海運についてご案内します。
内航海運とは
「貨物船」は、航海する区域の違いで、大まかに二つに分けられます。
外国の港と日本の港の間で貨物の輸出入に従事する「外航海運」と、国内の港と国内の港を結び国内物流を支える「内航海運」があります。
また、「内航海運」に従事する貨物船の事を「内航船」と呼びます。
ここでは、この「内航船」についてお話します。
意外に思われるかもわかりませんが、実は内航船は皆さんの生活に直結しているのです。
パンやクッキーの原料になる「小麦粉」や、「ポテトチップス」の原料になるジャガイモ、毎日読む「新聞紙」、スーパーに並ぶ「生鮮食品」、洋服などの「日用雑貨」、自動車メーカーが作った新車などなど、また、これらにくわえ、石油製品や鉄鋼、肥料や化学薬品などを港から港に運び、直接・間接に皆さんの生活を支えています。
しかもその量は、国内物流量の44%(トンキロベース)を担っており、鉄鋼やセメントなどの産業基礎物資の実に8割以上は「内航船」で輸送しています。
ピンとこないかもわかりませんが、この量は、10トントラックの3700万台分に相当する莫大な量なのです。
しかも、地球温暖化が叫ばれる昨今、二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、環境負荷が小さな輸送手段であるばかりか、交通渋滞とは無縁の海の上を進むので定時性にも優れています。
「内航海運」は、このように暮らしと経済を支えるだけでなく、地球の将来にも優しい輸送モードなのです。